気になる日記

気になる事を自分で調べてやってみて、日記として残すことが目的です。

バックパッカー 昔と今

バックパッカーの昔と今

 

沢木耕太郎さんの深夜特急を久々に読み返してみた。

初めて読んだのは高校生の頃で、数年に一度は読み返す作品。

 

 

作者がインドのデリーからロンドンの中央郵便局まで

乗り合いバスで移動する旅の記録。

 

作者がこの旅に出たのはおそらく80年代の初めで

2016年現在から考えれば30年以上も昔

 

携帯もネットもない時代、訪れる先々で情報収集しつつ

時にノープランに思いつくまま旅を続けていく作者に

高校生の私は興奮しながら取り憑かれたように

通学時間だけでなく授業中も読みふけり

あっとい間にすべて読み終えてしまった。

 

このバックパッカーバイブルとしても有名な本作

読んだ数年後、私自身もバックパッカーとなって旅に出た。

 

ネットが発達する以前の旅としては、本作と他にもある旅行作品や

(有名なところで言えば、小田実さんの何でも見てやろう)

実際にバックパッカーした人からの武勇伝を聞き

勝手な想像を膨らませ大した情報収集もしないまま

勢いだけで旅立つのが一般的だったと思う。

 

そのため、行った先では何一つ分からないため

「誰かに聴きまくる」、「とにかく歩きまくる」とういう行動を

繰り返す中で強烈な出会いや細々としたアクシデントが

随所に発生してくる。

 

本作では目的地に着いたら、ツーリストインフォメーションに

行き周辺地図や交通機関のハンプレットなどをゲットした後

地図を頼りに繁華街へ向かい、安い宿と食堂を探す。

他のバックパッカーから今後の行き先に関する情報を聞き出す。

数日間とにかく歩き回り何か起きるのを待つ。

と言うまるでドラクエのような行動パターンを繰り返す。

 

つまりこれが昔のバックパッカーであり、情報を入手するには

とにかく街に出て動き、人々に話しかける必要があった。

つまり昔のバックパッカーは旅先という不便な状況下でも

いかにその状況を楽しむかということ。

 

はてさて、今のバックパッカー

事前にネットで目的地に関する正確な情報収集をし

現地についたらSIMカード購入しスマホを使える状態に

すればさっき書いたような行動は不要である。

ほぼノートラブルで旅を楽しめるだろう。

 

こう書くと、ネット以前のバックパッカーの方が旅の醍醐味的な

ものが多くいい旅をしていたという印象を持ちやすいが

 

昔も今も変わらず重要な事は「実際にそこに行った」とうい事ではないだろうか?

特に何でも簡単情報が手に入ってしまう今こそ、そこに価値があるような気がする。

 

私は地球儀で今までに訪れた場所をチェックするのが好きだ

実際地球上で自分がどれだけ移動したかわかるからだ。

(ちっぽけな私でも、こんな大移動が可能なんだと思えるから)

 

若い頃のように初めて訪れる旅先での高揚感は薄れてきてはいるが

やっぱり飛行機乗って遠くに行く旅は、それだけで楽しいのである。